アスクレピオスの聖地エピダウロス

アスクレピオスの聖地エピダウロス

多額の債務問題で世界を騒がせているギリシャですが、古くはギリシャ神話に始まる文化や歴史がたくさん詰まった都市です。
日本からの距離は飛行機で14時間ほど、時差は7時間で言語はギリシャ語、通貨は今のところユーロです。
このギリシャの地に世界遺産の1つであるアスクレピオスの聖地エピダウロスがあります。

アスクレピオスというのはギリシャ神話に登場する医療と健康の神のことをいいます。
紀元前4世紀頃、ギリシャの都市の1つであったエピダウロスの市民たちが、アスクレピオスの生まれた土地はエピダウロスであると主張し始めました。
今でいう町おこしではなく、信仰が厚いあまりに生じたのだと思いますが、アスクレピオスの聖地であることをアピールし、信仰を深めるためアスクレピオスの神殿、アルテミスの神殿、劇場、宿泊所、浴場、闘技場などが宿泊所跡などが紀元前4世紀末に次々と建設されていきました。

次第にアスクレピオスの信仰も広がりをみせ、最盛期には祈りながら治療する場として、多くの人々が集まりここに宿泊し、温泉治療を行ったり、演劇をみたり闘技を楽しんだりしたものと考えられています。

現在は、そのほとんどの建物が土台を残すのみとなっていますが、唯一ほぼそのままの形で保存されているものがあります。
それが聖地の南側にあるポリュクレイトスの設計によるとされるエピダウロス劇場です。
均整美が素晴らしく丸井円形のオルケストラと呼ばれる舞台を中心に、ぐるりと取り囲んだ階段状の観覧席は、なんと1万4000人もの収容力を誇る規模になっています。
そんな昔にこれだけの規模の劇場が造られたことも圧巻ですが、当時ここでどのくらいの人が集まり、どのような状況で演劇に興じたのかと思うとワクワクしてきます。
さらに建築技術の高さと、世紀をまたいで耐え続けている耐久力の高さにも驚きを隠せません。

この価値が認められ、ギリシャスクレピオスの聖地エピダウロスは1988年に文化遺産として世界遺産に登録されました。
世界遺産というと気軽に触れられないというイメージがありますが、嬉しいことにこの劇場は普通に見学ができ、階段状の座席をのぼり座ることもできるのです。
最上階でも、下で話す人の声が響くというくらい音響効果が優れており、これまた当時の技術力や知識の豊かさを思い知らされます。
今現在も夏になると古代劇やコンサートが開催され、多くの観光客であふれます。
劇場の近くには、エピダウロス博物館が設けられ、当時の資料や歴史に触れることができます。

経済や財政の混乱でやや格を下げてしまったギリシャですが、当時はどこの国よりも優れた技術や文化を有していた歴史をもっています。
ギリシャの経済復興へのエールを送るべく、世界遺産アスクレピオスの聖地エピダウロスを訪れてみるのも楽しいかもしれません。